2019 年 75 巻 2 号 p. I_329-I_339
我が国では度重なる大地震を教訓に重要構造物の耐震化は推進されてきた.しかしながら,今もなお,十分な対策が行われていない戸建住宅の液状化被害は深刻である.これまで多くの液状化対策工法が研究されてきたが,その多くは原地盤を対象としており,戸建住宅などにも経済的に適用可能であり,且つ効果的な液状化対策工法については十分な検討が行われているとは言い難い.そこで,本研究では戸建住宅などにも適用可能な液状化対策として,小規模な浮き型格子状地盤改良の対策効果について検討を行った.本検討は構造物の不等沈下を伴わない限定的な条件ではあるが,1G 場での模型実験や数値解析を用いた検討の結果,格子間隔を基礎幅の 1.2 倍以内に制限することで,改良深度が基礎幅の 2 倍程度の浅く小規模な浮き型格子状地盤改良でも構造物の沈下被害を抑制可能であること分かった.