土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.24(特集)
ASI-Gauss 法による都市全域の木造家屋倒壊予測シミュレーション
石井 秀尭浅井 光輝大谷 英之飯山 かほり盛川 仁磯部 大吾郎
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_563-I_573

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抄録

2011 年東北地方太平洋沖地震・津波,および 2016 年熊本地震では多数の木造家屋が倒壊した.倒壊家屋による大量の瓦礫は,道路を閉塞することで即時避難の妨げとなるだけでなく,撤去作業等に時間・コストがかかり復旧復興に遅れを生じさせるなどの要因となった.たとえば,東海・東南海地方において,同規模以上の地震・津波被害が生じる危険性が高いことが危惧されており,巨大地震時に発生しうる瓦礫の総量と拡散状況を事前評価し,災害後の非常事態に備えた復旧計画を予め立てておくことなどの災害リスクマネジメントが重要である.以上の背景から,瓦礫の主因となる木造家屋の形状を建物情報を含む GIS データから自動変換することで都市全域のモデル化を行い,骨組み構造の進行性崩壊解析が可能なはりの有限要素法のひとつである ASI-Gauss 法により地震による家屋損傷と倒壊までを予測する一連のツールを確立した.提案技術の妥当性を示すため,2011 年東北地方太平洋沖地震時の大崎市・古川地区の被災の再現を試み,被害報告との比較検討を行うことで提案手法の有効性を確認した.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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