火山灰質砂質土で構成された斜面や盛土が,泥流状に崩壊する地震時地盤災害が発生している.本研究では,不飽和の火山灰質砂質土を対象として,同じ乾燥密度で異なる初期水分状態を持つ供試体に対し,間隙空気圧,間隙水圧,供試体体積変化を計測した非排気非排水条件下での繰返しせん断試験を行っている.その結果,緩い火山灰質砂質土は,飽和度が75%程度であっても,繰返しせん断によってサクションが低下すると同時に初期の有効応力を失い,いわゆる液状化状態になることを示した.また,実験結果を基に,不飽和土の液状化機構について考察し,不飽和土が繰返しせん断によって有効応力が失われるか否かは,土の間隙比と飽和度から決まる空気体積と土粒子骨格間隙の体積圧縮可能量に依存することを示した.