土木学会論文集C
Online ISSN : 1880-604X
ISSN-L : 1880-604X
62 巻, 2 号
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英文論文
英文報告
  • Ryoichi MASUDA, Hidekazu ASANO, Hiroyuki TADA, Tsuyoshi NISHIMURA, Kiy ...
    2006 年 62 巻 2 号 p. 292-304
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
    In in-situ compaction method, where the material is directly compacted in the disposal pit, possible damage to the surrounding rock and waste package due to the impact of compaction are issues of concern. While an evaluation of the effect of impact is necessary, the analysis based on Finite Elemental Method (FEM) has not yet been achieved with sufficient accuracy. Experiments were carried out and data obtained for the acceleration damping characteristics of the buffer material. The results were then used with an analytical model in order to improve the accuracy of the analysis. By comparing this with data obtained from full-scale experiment, it was possible to confirm the validity of the analysis that takes acceleration damping characteristics.
和文論文
  • 若松 加寿江, 吉田 望, 規矩 大義
    2006 年 62 巻 2 号 p. 263-276
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     本論文では,現地踏査と地震直後に撮影された航空写真の判読により,2004年新潟県中越地震による液状化発生地点の全体像を明らかにすると共に,現地踏査により液状化による被害の様相を明らかにした.さらに,微地形条件の調査および既存のボーリング資料から,液状化が発生した場所の地形・地盤条件を調べ液状化発生の素因についての考察を行った.その結果,震源地から約30kmの範囲に液状化が多数発生し,1964年新潟地震で液状化が発生した同じ場所で今回も噴砂が確認された.液状化したと推定される地層を地形・地盤特性から分類すると,1) 信濃川およびその支流の河成砂,2) 扇状地性の砂礫地盤における砂利採取跡地の埋戻し土,3) 腐植土や粘性土が堆積する軟弱地盤上の盛土や埋戻し土,4) 海岸砂丘の裾の自然堆積の砂丘砂および砂丘砂による盛土,となった.
  • 大谷 順, 弘中 淳市, 椋木 俊文, 平井 貴雄
    2006 年 62 巻 2 号 p. 311-319
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     杭の鉛直支持力算定における支持力メカニズムの提案は,Terzaghi,Meyerhof,およびVesicらによるものが広く知られている.しかしこれらメカニズムは,簡便的な支持力計算を目的としたものであり,実際の3次元下の鉛直支持力メカニズムを詳細に観察して提案されたものではない.本研究の目的は,X線CTスキャナを用いて,種々の先端形状を持つ杭の鉛直支持力特性を解明することである.ここでは,砂中の単杭を対象とした鉛直模型載荷実験を実施し,荷重下における杭先端地盤内状況を産業用X線CTスキャナを用いて評価することにより,杭基礎の鉛直支持力特性を解明することを試みた.結果として,初めて杭基礎の鉛直支持力メカニズムを非破壊かつ3次元的に評価した.
  • 棚橋 秀行, 佐藤 健, 小西 純一
    2006 年 62 巻 2 号 p. 320-334
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     地盤の多相流解析で用いられる水・油・空気3相保持特性に関する経験式を加圧板法と土柱法で吟味した.加圧板法では3相系水分飽和度と水分保持特性曲線は油層厚の薄いときに近い値となったが,土柱法では全液相飽和度と油分保持特性曲線は油層厚が薄いときには一致せず,既往の経験式の信頼性が低いことを示す結果が得られた.油汚染地盤において,観測井で検出される油層厚は数cmオーダーで,油層厚の薄い汚染範囲が面積的に最も大きい.全液相飽和度と油分保持特性曲線が一致する既往の経験式を適用すると,地盤内の油分布範囲と量を過小評価し,危険側の予測結果になることを指摘した.
  • 島田 久美子, 小峯 秀雄, 安原 一哉, 村上 哲, 関根 一郎, 岡田 哲実
    2006 年 62 巻 2 号 p. 335-345
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     高レベル放射性廃棄物処分事業において,施設を構成する岩盤・岩石に対して,化石地下水や海水起源の塩類,空気供給による環境変化など化学的要因による劣化の検討をすることが必要と考えられる.しかし,現行の岩石劣化に関する試験,特にスレーキング試験では,これらの化学的な条件は想定されておらず計測項目もスレーキング率や含水比等であり,岩石劣化に伴う変化が予想される浸漬溶液の水質分析なども規定されていない.そこで本研究では,地下水質や空気供給状況を考慮できるスレーキング試験方法を提案するとともに,新たな評価項目を提示した.この方法を3種類の堆積性岩石に適用した結果,黄鉄鉱を含有する岩石では,空気供給状況の違いによって黄鉄鉱の溶脱挙動が異なること等が明らかになった.
  • 中澤 博志, 石原 研而, 塚本 良道, 鎌田 敏幸
    2006 年 62 巻 2 号 p. 346-359
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     通常,地盤の液状化判定は,地下水面以下の調査対象層が完全飽和状態を前提条件として実施される.しかしながら,地下水面下の地層が必ずしも完全飽和状態であるとは限らないことや,不飽和条件下にある砂の液状化強度は完全飽和状態の砂より大きいことが指摘されている.本研究では,2つのサイトにおいて弾性波速度試験および不撹乱試料採取を実施し,室内試験結果と原位置試験結果を比較することで,弾性波速度,B値および液状化強度の三者の関係を求めた.また,これらの関係を用い,液状化判定を実施した結果,液状化地点と非液状化地点の違いが地下水面以下に存在する不完全飽和層の存在に影響されていることがわかった.
  • HAM Tae Gew, 中田 幸男, 兵動 正幸, 吉本 憲正, 村田 秀一
    2006 年 62 巻 2 号 p. 360-370
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     締固めた材料の強度・変形特性に現れる異方性とその程度を明確にするために締固めたまさ土を用い飽和,不飽和状態において排水三軸圧縮試験を実施した.供試体は締固め度 Dc=90%になるように締固めた後,水平面からの切り出し角が 0°,45°,90° となるように作成した.試験結果より,初期サクションには水平面からの切り出し角の依存性が現れないこと,飽和,不飽和供試体ともに等方圧縮量に水平面からの切り出し角の依存性が顕著に現れることが確認された.さらに,飽和供試体に比べ不飽和供試体の方が,せん断強度特性に水平面からの切り出し角の依存性が顕著に現れることと,その依存性は主として見かけの粘着力として現れることが明らかになった.
  • 村上 幸利
    2006 年 62 巻 2 号 p. 371-378
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     スレ-キング性や破砕性等の物理的性質あるいは生成過程が異なる,幾つかの軟岩試料について一連の試験を行うことにより,軟岩の性質や生成過程,乾燥・湿潤の繰返しの程度または締固め度などが,締固めた軟岩材料の支持力と支持力特性に及ぼす影響を調べた.その結果,空気間隙率と支持力の間には特定の関係があること,支持力は軟岩材料の物理的性質や締固め後での乾燥・湿潤の繰返しの程度などによって複合的に影響されることなどを明らかにした.また,空気間隙率と支持力の関係から見出される臨界的な空気間隙率に注目し,その特性や他の因子との関係について幾つかの知見を得た.
  • 松岡 元, 安藤 友宏
    2006 年 62 巻 2 号 p. 379-389
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     これまでに,土を薄い袋で包んだだけの土のうが予想外の高い強度を示し,建造物の基礎補強や擁壁の築造などに有効に用いられることを示してきた.ここでは,土のう積層体がそのしなやかさや個別性 (バラバラの土のうの集合体であること) などにより,特異な振動低減特性を有することを見出し,それを利用して交通などによる地盤振動を発振側 (振動を発する道路・鉄道下の地盤中),伝播経路 (振動が伝わる途中の地盤中) および受振側 (振動を受ける建物の基礎地盤中) で低減させる方法を示す.このとき,土のう積層体が一般に振動を低減させることが難しいとされている低周波数 (10Hz 以下) の振動 (人体が感じやすい周波数域) に対して特に効果的であることを示す.
  • 稲積 真哉, 木村 亮, 三津田 祐基, 山村 和弘, 西山 嘉一, 嘉門 雅史
    2006 年 62 巻 2 号 p. 390-403
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     H-H継手を施した連結鋼管矢板は,鋼管矢板の継手箇所に内在した剛性,施工性および遮水性の問題を根本的に克服できる画期的な部材である.本研究では,安全で信頼性の高い海面埋立処分場技術の構築を目的として,H-H継手を施した連結鋼管矢板を適用した廃棄物埋立護岸の遮水性および有害物質の遮蔽効果を検討している.H-H継手を施した連結鋼管矢板の遮水性を評価した実規模室内透水試験では,H-H継手を施した連結鋼管矢板の遮水性は海水・淡水環境に差異がなく,遮水工構造基準を2オーダー程度下回る高い遮水性を発揮できることを示した.また,浸透・移流分散解析を用いた廃棄物埋立護岸の遮蔽効果の検討では,廃棄物埋立護岸として継手嵌合された鋼管矢板を適用するためには,10-8 cm/sオーダーの透水係数を確保することが望ましいことを明らかにしている.
  • 村本 勝己, 関根 悦夫
    2006 年 62 巻 2 号 p. 404-413
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     主に粘性土で構成される軟弱路盤上のバラスト軌道を剛性の高い省力化軌道へと更新すると,列車荷重によって路盤土が軟弱化し,路盤土の流出や路盤陥没等の変状を生じることがある.しかし,省力化軌道下の路盤変状の発生プロセスが明らかになっていないため合理的な変状対策法は未だ確立していない.
     本論文において筆者らは,実際の列車走行を模擬した移動荷重載荷試験によって,省力化軌道下の粘性土路盤変状の発生プロセスについて検討した.その結果,省力化軌道下の路盤変状は,列車荷重に伴う水圧変動で路盤面に有効拘束圧が十分に作用せず,軟弱化した路盤表面の土がパイピングによって流出することが主な原因であることを確認し,合理的な路盤変状対策の基本方針を明確にした.
  • 仲村 治朗, 河村 精一, 村中 健二
    2006 年 62 巻 2 号 p. 414-428
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     本研究では,互層堆積軟岩上に大型構造物基礎を設計することを想定して,まず,室内岩石試験・原位置岩盤試験を行い,互層堆積軟岩としての特性を明確にした.次に,岩石試験の力学特性を入力値とし,数値解析的に岩盤試験の力学特性を模擬できることを示し,岩石試験の物性値を用いて互層堆積軟岩の変形性や安定性を評価できることを確認した.さらに,岩盤試験体寸法と実構造物規模との寸法効果の生ずる要因を分析し数値解析を行った結果,今回対象とした軟岩では寸法が大きくなるほど割線弾性係数が大きくなる傾向となった.また,せん断強さについては,今回の検討範囲では明瞭な寸法効果は見られなかった.これらの検討から,大型構造物基礎岩盤としての互層堆積軟岩における合理的で信頼性のある変形・強度特性を確認することができた.
  • 重松 宏明, 東 真吾, 池村 太伸, 澤本 洋平, 林 宗平, 能澤 真周, 八嶋 厚
    2006 年 62 巻 2 号 p. 429-439
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
     黄鉄鉱の酸化反応による地盤の酸性化は,土質特性を大きく変化させ,場合によっては法面崩壊などの地盤災害を引き起こす原因にもなる.そこで本研究は,黄鉄鉱を有する粘性土試料を段階的に酸性化させ,一連の室内実験を実施し,黄鉄鉱の酸化に伴う地盤の酸性化が変形・強度特性,コンシステンシー限界にどのような影響を及ぼすのかを明らかにした.また,非活性で知られるカオリンに濃度の異なる硫酸を加え,同様の試験を行い,硫酸による酸性化が土質特性に及ぼす影響についても把握した.さらに,実際に崩壊した酸性土地盤からなる切土法面について安定解析を行い,地盤が中性から強酸性に至るまでの間に法面の安定性がどの程度失われるのかについても検討した.
  • 谷本 親伯, 津坂 仁和, 御手洗 良夫
    2006 年 62 巻 2 号 p. 440-456
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
     トンネル施工の大原則は,掘削に伴うゆるみを極力抑え,地山のアーチ作用を積極的に利用することである.本論文では,この「地山のアーチ作用」は地山の非弾性挙動に起因するものと考え,トンネル掘削に伴うゆるみ域の発達を定量的に評価した.第三紀の頁岩・砂岩地山に施工されたトンネルを対象とし,70例ほどの変位計測結果に基づいて初期変形速度と断面変形率の関係および発達する非弾性域を算出した.そして,その結果と理論解析を用いて,切羽の進行やインバートの断面閉合によるゆるみ域の発達の違いを考察した.その結果,大きな初期挙動の地山では掘削直後においてゆるみ域が過度に発達し,最終的に大きな変形が生じてしまったと考えられた.また,掘削直後のインバートによる断面の閉合がゆるみの発達を大きく抑制するという結論を得た.
  • 吉中 龍之進, 吉田 淳, 佐々木 猛, 佐々木 勝司
    2006 年 62 巻 2 号 p. 457-470
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
     岩盤の挙動は岩盤内に分布する不連続面に強く影響されることは良く知られている.このような影響を与える不連続面の性質には,不連続面の三次元分布状態と力学的性質がある.本論文は不連続面の力学的性質を取り扱う.不連続面の力学的性質は室内/原位置の一面せん断試験で求めるのが基本である.試験結果からせん断特性と垂直変形性が求まるが,これらは試験面の大きさで変化する“寸法効果”がある.
     実岩盤の不連続面の長さは数10cm~数10mに及ぶ.そのため試験結果を用いて実岩盤の挙動を考察するためには,寸法効果を適切に評価しなければならない.本論文は不連続面の寸法効果に関する主要な研究事例を総括し,実規模岩盤の解析に用いるための不連続面のせん断剛性,せん断強さ,ダイレ-ションおよび垂直剛性の設定方法を提案している.
  • 加藤 正司, 譽田 孝宏, 新海 博之
    2006 年 62 巻 2 号 p. 471-487
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
     本研究では,飽和・不飽和状態のカオリン予圧密試料及び不かく乱沖積粘土試料を用いて,圧縮・除荷後,ならびにそれに吸水過程を加えた等方圧縮過程後の低拘束圧下での非排水せん断試験を実施した.そして,破壊に至るまでの有効応力経路,ならびにピーク強度や残留強度に検討を加えた.その結果,ピーク強度特性や有効応力経路には,サクションによる弱い粒子間付着力や長期の堆積過程により形成され,構造を生じる強い粒子間付着力が影響する傾向が認められた.また残留強度特性は,サクション応力を考慮した平均基底主応力により飽和・不飽和状態にかかわらずユニークに整理される傾向を示した.さらに,吸水過程によりサクションが消失する場合のせん断強度低下量の予測方法について検討を加えた.
  • 日比 義彦, 神野 健二, 江種 伸之, 川端 淳一, 下村 雅則
    2006 年 62 巻 2 号 p. 488-501
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
     有害な揮発性物質の土壌浄化対策の設計には地盤の透気係数や影響半径が必要となり,透気係数を求める簡便な算出式も多く提案されている.これまでに提案されている透気係数を求める算出式は,鉛直方向の透気係数が体積含水率によらず一定として導かれている.しかし,実際の地盤では,地下水面からの毛管水の上昇や地表面からの降雨の浸透等により,透気係数が鉛直方向に変化するので,これらの効果について配慮する必要がある.本研究では空気の圧縮性と体積含水率の変化を考慮できる有限要素法の数値解と既存の簡便な理論解を比較して,簡便な理論式の実際の地盤への適用性について検討した.検討の結果,本論文で示した観測データの整理法は地盤の透気係数や影響半径の評価に有効であることを示した.
  • 高橋 直樹, 岸下 崇裕, 山本 陽一, 兵動 正幸, 三浦 房紀, 吉本 憲正
    2006 年 62 巻 2 号 p. 502-518
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/20
    ジャーナル フリー
     板状の固化改良体を液状化対象層内に多層配置することにより,部分的に地盤の軟化や液状化を許容して減震効果を利用するとともに沈下および不同沈下を低減することを期待した地盤改良形式である多層固化改良を提案した.本研究では,種々の改良率に対して多層固化改良を含む改良形式について振動台実験を実施し,減震効果と沈下低減効果の観点から本改良形式による改良効果について検討した.その結果,多層固化改良は改良率を高くすると減震効果が低下する傾向を示すものの,同じ改良率の一体改良の場合以上に沈下を低減する効果があることが明らかとなった.
  • 西村 友良, 豊田 浩史
    2006 年 62 巻 2 号 p. 519-528
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/20
    ジャーナル フリー
     地盤表面では大気中の湿度変化によって土間隙内に高いサクションが作用している.高サクションを有する土の見かけの粘着力についてはこれまでに明らかにされていないのが現状である.本研究では静的に締め固めた非塑性の不飽和シルトに対して,蒸気圧法を用いて湿度制御された環境下で供試体に2830kPa以上の高サクションを与え,見かけの粘着力とサクションの関係を検討した.また,この供試体に関して,一軸圧縮試験,圧密定圧一面せん断試験を行い,せん断試験方法の違いが見かけの粘着力に与える影響についても検証した.
  • 田嶋 仁志, 石田 高啓, 斉藤 正幸, 小林 靖典, 中西 康博, 市川 晃央, 西村 和夫
    2006 年 62 巻 2 号 p. 529-545
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,併設シールドトンネルの掘削に伴う長期的な影響としての周辺地盤の緩み現象のメカニズムを明らかにするために,テールボイドの発生による「緩み厚の影響」と併設トンネルの「離隔の影響」について検討を行った.2つのトンネル模型を用いたアルミ棒積層体を模擬地盤とする模型実験を実施するとともに,個別要素法(DEM)解析によるシミュレーション解析を行った.その結果,後行トンネル掘削の影響により先行トンネルに作用する土圧は増加し,2つのトンネルを跨ぐようなアーチング効果が確認できた.また,実施工の計測結果との比較検討も行った.
  • 風間 基樹, 高村 浩之, 海野 寿康, 仙頭 紀明, 渦岡 良介
    2006 年 62 巻 2 号 p. 546-561
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/20
    ジャーナル フリー
     火山灰質砂質土で構成された斜面や盛土が,泥流状に崩壊する地震時地盤災害が発生している.本研究では,不飽和の火山灰質砂質土を対象として,同じ乾燥密度で異なる初期水分状態を持つ供試体に対し,間隙空気圧,間隙水圧,供試体体積変化を計測した非排気非排水条件下での繰返しせん断試験を行っている.その結果,緩い火山灰質砂質土は,飽和度が75%程度であっても,繰返しせん断によってサクションが低下すると同時に初期の有効応力を失い,いわゆる液状化状態になることを示した.また,実験結果を基に,不飽和土の液状化機構について考察し,不飽和土が繰返しせん断によって有効応力が失われるか否かは,土の間隙比と飽和度から決まる空気体積と土粒子骨格間隙の体積圧縮可能量に依存することを示した.
和文ノート
  • 佐野 博昭, 出村 禧典, 山田 幹雄, 一宮 一夫
    2006 年 62 巻 2 号 p. 305-310
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/21
    ジャーナル フリー
     本研究では,モンモリロナイト含有率が締固め土のシキソトロピーに及ぼす影響を調べるために,異なるモンモリロナイト含有率を有する混合試料土に対してフォールコーン試験と一軸圧縮試験を行った.結果より,液性限界はもとより塑性限界よりもさらに低い含水比で締め固めたベントナイトとカオリンの混合試料土では,シキソトロピーによる強度増加が生じており,この傾向はモンモリロナイト含有率の大小のみならず静置日数の長短や温度の高低によっても異なること,加えて,一軸圧縮強さのみならず破壊ひずみや変形係数も静置日数の経過にともなって変化することが明らかとなった.これより,盛土などの締固め土構造物を建設する際にシキソトロピーによる強度の増加をある程度期待できる可能性が高いと判断した.
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