抄録
本論文は,神戸空港島埋立土の物理・力学特性を把握するため,埋立土として用いられた岩砕材料と礫質土に対して実施した,各種室内試験結果をとりまとめている.原位置での埋立状況を想定し,浸水や粒子破砕による高密度化を考慮した最大,最小密度を設定し,原位置の相対密度に揃えて試験を実施した.その結果,今回の試料の細粒分含有率の範囲では,細粒分含有率が増加すると乾燥密度は大きくなる傾向が見られ,取り得る密度幅の小さいことが確認された.一方,液状化強度は小さくなる傾向を示した.せん断抵抗角は試料の違いに拘わらず37°以上の良好な値を示した.