抄録
道路拡張工事や急傾斜地対策工事では,重力式擁壁などの対策工を設置して最終的な安定性を向上させることが多い.しかし,これらの施工中には,法面勾配を従前よりも一時的に急勾配とする切土掘削作業や,床付けに伴う法尻部の掘削作業など,法面全体が不安定化するような作業が行われており,労働災害となる事例が多く報告されている.本報告では,高さ5m,斜面勾配45°の実物大盛土斜面にて切取り工事中の斜面崩壊を再現する実験を実施し,斜面下部の掘削切取りによる斜面崩壊メカニズムの解明,ならびに施工中の安全を担保する計測機器の最適配置位置の検討を行った.