抄録
放射性廃棄物処分においては,放射性核種の移行を抑止するためなどの理由により締固められたベントナイトが用いられる.一方,地下深部の還元性環境下における金属腐食などにより金属廃棄物等から水素ガスが発生する可能性があるが,高密度ベントナイトは緻密であるため透気性も低く,蓄積したガスが速やかに排出されないことが予想される.そのためガス圧上昇による周辺施設や岩盤への影響の評価,ガス排出時のベントナイトの損傷の影響の評価を行なう必要がある.そこで本研究では,初期に飽和した高密度ベントナイトのガス移行特性ならびにガス透過後の透水性を実験的に把握し,ガス移行現象のメカニズムを明らかにするとともに,ガス流量急増時のガス圧推定法を提案した.