抄録
地表付近の岩盤傾斜量を基に,筆者らが提案した逆解析法を用いて岐阜県東濃地域の超深地層研究所用地における立坑掘削の際の排水,冠水および再排水期間における地下水流動場を評価し,さらに,モデル解析によりその信頼性について検討した.その結果,局所的な影響を除いた傾斜量から評価した平面寸法1000m×1000m,深さ100m~180mの領域における大局的な地下水流動場は,遮水性があると推定されている二つの断層に挟まれた領域内で主立坑の南側100m~150mを中心に発達し,立坑の北西方向は収縮傾向,南~南東方向には広がる傾向にあることを明らかにした.しかし,同時に,傾斜計の配置方向の制約により,立坑の北西方向と南東方向の隅角部近傍は評価できない空白域であることも指摘した.