抄録
本研究では,結晶性や不純物量が異なるアパタイト試料を供試し,アパタイトの溶解性と鉛収着量,収着メカニズムとの関係を明らかにすることを試みた.加えて,クエン酸によるアパタイト中のリン溶解量から鉛収着量を予測可能か検討した.アパタイトからのカルシウム溶出量と鉛収着量とには直線的な関係が認められた.アパタイトへの鉛収着メカニズムは,鉛とリンとの反応による緑鉛鉱の生成,アパタイトへの表面錯体形成によるものと考えられた.表面錯体形成による鉛収着量は,溶解性が異なるアパタイトであっても同一で,アパタイトの溶解性が高まることで緑鉛鉱の生成が高まり,鉛収着量が高まることが明らかとなった.0.01Mクエン酸溶液によるリン溶解量から最大鉛収着量が予測可能であることが示された.