2009 年 65 巻 4 号 p. 897-914
クリンカアッシュは,石炭火力発電所のボイラー底部の水槽にたまった石炭灰を砂や礫の大きさに粉砕して生成されたものであり,利用に際して特別な処理を施す必要性がなく,かつ,軽量でせん断強度が高い.このため,クリンカアッシュの地盤材料としての利用が進められつつあるが,その特性を十分に理解した上で利用されていないのが現状である.本研究では,クリンカアッシュの粒子特性を調査するとともに,埋立材料としての適用を想定した緩詰め状態における静的あるいは動的な強度・変形特性を検討した.その結果,クリンカアッシュは破砕性材料ではあるが粒子形状が複雑なため,緩詰め状態であっても高い静的せん断強度を確保していることや豊浦砂やまさ土と比較して高い非排水繰返しせん断強度を有していることを明らかにした.