2010 年 66 巻 1 号 p. 115-125
地震時における地盤の液状化に伴う側方流動が構造物の破壊現象に与える影響を検証するため,現状で可能な限り大型の模型に対する実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)での震動台実験を実施した.模型は沿岸部を想定し,ケーソン岸壁とその背後に杭基礎構造物を有する飽和砂地盤を土槽内に作製し,試験体とした.この試験体に1995年兵庫県南部地震での加速度記録に基づく目標波を入力した実験において地盤を液状化させ,ケーソンの傾斜と水平移動を実例と同様に再現し,杭基礎を破壊させることができた.この実験により,加振中のケーソンの移動は背後地盤の土圧よりもそれに作用する慣性力の影響が主であり,杭基礎はケーソンの移動に伴う地盤変形が誘因となり破壊に至ることがわかった.