抄録
本研究では,地盤材料供試体の変形モードを定量的に評価し,変形局所化の素因となる分岐モードを抽出するための分析方法を提案した.二次元ひずみ場を二重Fourier級数で表し,(1)変形モードの空間的周期(波数)に着目する方法と,(2)変形の進展や分岐に伴う幾何学的対称性の変化に着目する方法の2種類の分析方法を提案した.この手法を砂の平面ひずみ実験結果に適用し,分岐モードの抽出とその後の局所化進展挙動の定量的把握を試みた.変形の進展に伴う各波数スペクトルの卓越度合いを調べることにより分岐モードを同定した.さらに,せん断帯形成などの漸次的局所化挙動と幾何学的対称性の変化とを関連付けて考察した.最後に,分岐解析結果により得られた分岐モードとの比較を行い,提案手法により同定された分岐モードの妥当性を検証した.