2012 年 68 巻 2 号 p. I_190-I_196
地球温暖化の影響により,沿岸部低平地においては水没の危険性が高まるとされ,早急な対策が必要とされている.このような中,土地の高さをメッシュとして表した数値標高モデル(DEM: Digital ElevationModel)や数値表層モデル(DSM: Digital Surface Model)を用いた水没域推定に関する研究事例があり,データの示す標高値の精度の捉え方を整理することが重要であると言える.既往の研究において,基準点を用いて残差をデータのばらつきの判断材料とする統計論的アプローチで議論が進められている.本研究では,低平地における氾濫シミュレーションに対するDSMの実利用を想定し,数値標高モデル10mメッシュ,レーザプロファイラ,ステレオマッチング処理,InSAR処理の各方法で生成したDEMおよびDSM精度比較の方法を検討した.