抄録
本研究は,各種検査・計測画像の判読・分析支援を目的とし,擬似回転錯視と残像錯視を誘発する画像特徴合成動画(Feature Composite Moving image:FCM image)に対する「視認性評価指標」を提案したものである.FCM imageは,テクスチャ特徴に対して8種類のエンボス処理画像を作成し(光の擬似照射方向:8方位),これらを元画像に重ね合わせ,動画化することによって作成される.本研究では,FCM imageの濃度値変動(時間軸方向)に対する空間周波数別・パワースペクトルを画素単位で計算し,これを視認性評価指標とした.さらに,視認性評価指標を画像化した「視認性評価図」を提示するとともに,この視認性評価図を用いればFCM imageに対する視認性を定量的に分析できるだけでなく,錯視と視覚に関わる今後の研究の展開にも寄与できることを示している.