2013 年 69 巻 1 号 p. 34-46
ICTやITSの進展に伴い,渋滞,災害,規制や交通量などの多様な道路関連情報が地図上の位置と関連づけて表現されている.多様な道路関連情報が組織や分野横断的に流通し,組み合わせることができれば,既存の情報提供サービスの高度化や新たなサービスを実現できる.しかし,道路関連情報の交換に送り手の持つ地図の経緯度を用いると,受け手の地図上で異なる位置を示す可能性がある.また,既存の道路地図が持つネットワークを用いると,道路の新設や拡幅などに伴うリンクIDやノードIDの経年変化の影響を受ける課題を抱えている.
本研究は,道路の区間と参照点とを用いて相対的に道路上の位置を特定し,異なる地図間でも送信者の意図する位置表現で道路関連情報が交換できる位置参照方式となる“道路の区間ID方式”を考案した.そして,同方式に準じた約20万kmの道路の区間IDテーブルを整備し,さらに情報交換実験を実施して有用性を検証した.