2014 年 70 巻 2 号 p. I_249-I_256
トンネルの定期点検は,現場での作業時間が長く,変状の記録も手描きで行うため,非常に労力を必要とする.そこで,短時間でトンネル覆工面の画像を取得し,展開画像から壁面の表面調査ができる走行型の画像計測車両が注目されている.現場での作業を省力化できる一方で,画像から変状を抽出する作業は,技術者の目視によるトレースが必要とされる.本研究では,投光器の照射角度と抽出した段差の陰影幅を利用し,段差の高さを求める方法を提案した.検証実験の結果,実際の段差高の80%~120%の高さを算出できた.加えて,照射角45°が最も正確に高さを算出可能であることがわかった.