抄録
高度経済成長期に作られた社会インフラの老朽化が深刻な問題となっている昨今,全ての異常箇所を発見し補修するのは困難であるため,優先順位をつけた維持管理が求められる.本研究ではその中でも水利施設のパイプラインに着目し,RGB-Dカメラを用いた調査方法を提案する.RGB-Dカメラはカラー画像に加えて3次元形状情報を取得できる.本研究では,複数の光マーカとRGB-Dカメラを併用することにより,既往研究では連続的かつ定量的データとして取得することが難しかった断面形状やたわみ量の分布を取得する手法を提案する.円筒型の模型を用いて実験を行い,600mmφのパイプに対して実時間計測で5%のたわみ検出能を満たしながら,パイプ内でのカメラの自己位置を5mmの精度で同定できることを確認した.