抄録
レーザスキャナは詳細で広範囲の3次元情報を取得できる一方,現実的な作業量で実用的なデータを得るには計測位置の選択が難しく,専門作業者の経験に頼るところが大きい.我々は,現地で撮影した写真からSFM(Structure from Motion)を使って復元した3次元情報をもとに各地点での見通しを考慮し,数理計画法によりスキャン計画を最適化する手法を開発している.SFMの出力が疎な3次元データであることから,これまでは手動でのデータ補間とモデリング作業を要していたのに対し,本稿ではMVS(multi-view stereo)により系統的で数理計画法に適した3次元モデル化プロセスを実現する.さらに,スキャンの追加や,局所部分の重点的な計測など,現場で発生する運用ニーズに対応できる最適なスキャン計画の立案方法を示し,奈良県大和郡山市の郡山城での石垣調査における計測にて,その有効性を検証した.