2016 年 72 巻 2 号 p. II_31-II_39
MMSの位置精度はGNSS電波の受信状況に依存する.受信状況が良好でない区間では標定点を設置し調整処理を行うことにより位置精度が改善されるが,標定点を多く設置することでMMSの低コストかつ効率的に計測が出来る利点が損なわれてしまう.そのため標定点の配置について研究がなされているが,速度の考慮がされていないなど有効な配置について検討する余地がある.本研究ではMMSの走行速度と標定点間隔について検証実験を行った.計測データを設定した標定点間隔で補正を行い,時間経過と累積誤差の関係について検証した.結果として,速度や標定点間隔が変わっても時間経過と累積誤差の関係は同様であり,水平方向において速度60km/hで目標精度を0.10mと設定した場合,補正後約166m間は目標精度を満たすことができる事が示された.