抄録
近年,道路整備において局部改良等を弾力的に組合せた1.5車線的道路の適用が可能になった.一時的な大型車の増加を伴う建設工事においても1.5車線的道路の考え方が有効となるが,待避区間を適切かつ安価に配置するためには交通シミュレーションによる試行錯誤が必要であった.筆者らは,シミュレーションの代替手段として,先に確率的な車両到着間隔を考慮した高速な評価手法を構築した.本論文では,待避区間の配置計画を拡幅コストの最小化問題と考え,構築した手法に遺伝的アルゴリズムを組合せて最適配置を検討した.その結果,従来方法に比べ,検討時間を8時間から4分に大幅短縮した上,拡幅コスト,平均待ち時間ともに削減する有効な解を得た.さらに,多目的最適化の観点から拡幅コストと平均待ち時間のトレードオフ関係を明らかにした.