抄録
鋼橋の設計が「ガイドライン型設計」に移行して長い期間が経過したが,詳細設計で発注者と協議・確認・承認を得るための資料作成は技術者の経験に依存している.断面変化位置に応じて(材料費+製作費)ミニマムとなる解は多数あり,協議や承認をスムーズに運ぶためにも代替案の選定と説明,比較を適切に行う必要がある.本論では,部材数毎に(材料費+製作費)ミニマムとなる代替案をGAにより検索するツールを提案する.国土交通省タイプと旧日本道路公団タイプの鋼連続桁橋を対象に,断面変化位置決定に際して材料費と製作費の合計を最小にする複数の代替案をGAを用いて抽出・評価・比較する方法が詳細設計での協議や承認の際に有効であることを示す.