抄録
河川等の流量把握方法はこれまで多くの研究開発が為されてきていて国内外で実用化されているが,河川の低水から高水までを自動で連続観測できる方法は我々が知る限り存在していない.我々は新たに点流速センサと呼ばれるセンサを開発し,小型無線機,ネットワーク及び独自のウエブサーバを組み合わせ,河川流量を自動無人連続観測でき,かつリアルタイム配信可能なシステムを目指している.点流速センサはリードスイッチを用いた簡単な原理に基づいた,小型,安価,無電源であり,無線機と組み合わせることで,河床下の大規模なケーブル埋設工事は基本的に不要であることから複数設置が容易である.本稿では,流量観測システムとしての考え方,点流速センサの原理やこれまで現地実験で判明した課題の解決手法等を説明し,システム全体の開発状況を示すものである.