抄録
近い将来,走行車線が識別できる測位精度の高いプローブデータの取得が可能となり,道路交通分析への高次利用が期待される.車線単位の道路交通分析の実現には,プローブデータに加えて,車線ネットワークデータで構成された大縮尺道路地図が必要となる.しかし,既存の大縮尺道路地図は経路案内等の走行支援サービスの用途に主眼が置かれており,道路交通分析に適しているかは明らかにされていない.
本研究では,現行の道路交通分析のユースケースの調査結果を基に,車線単位の道路交通分析のユースケースを具体化し,大縮尺道路地図の要件や対応策を考察した.さらに,考察した対応策に基づいて既存の大縮尺道路地図を拡充し,高精度プローブおよび大縮尺道路地図を用いたケーススタディを実施した.