抄録
社会資本の効率的な維持管理施策を計画,実施するために,単位区間の精度高い劣化予測は有効であるが,観測不可能な変数を含め,複雑に様々な要因が関係しているため難しい.本研究では,そのようなデータから特徴を学習できるマルチレイヤパーセプトロン(MLP)と,時系列データをモデル化できるリカレントニューラルネットワーク(RNN)に,過学習を抑えて予測精度を向上できるドロップアウトおよびADAMを適用した路面性状値予測手法を提案した.提案手法をひび割れ率・わだち掘れ量・平たん性からなる路面性状値の3年後の予測に適用した.その結果,舗装の単位区間に対する路面性状値の予測に従来から用いられている線形回帰モデルと提案手法を比較すると,ひび割れ率の予測誤差を表すRMSEはおよそ20%減少した.