2021 年 77 巻 2 号 p. I_89-I_96
本論文では屋内土木環境においてロボットを導入する際の自己位置推定法について音響反射を用いる手法を提案する.音響センサーは一対の水平無指向性スピーカーと水平無指向性マイクロフォンで構成され,スピーカーから放出した音が壁面で反射しマイクロフォンに到達するまでの時間を計測することで各壁に対する反射経路の距離を計測する.さらに,推定された反射経路の距離,ロボットの車輪に取り付けられたロータリーエンコーダーの回転数,事前に与えられた地図情報を入力とし拡張カルマンフィルタを用いて自己位置推定を行った.シミュレーションによる検証では音響センサーの標準偏差が0.2mの時,位置誤差が0.1m以下となった.また,無響室にてロボットステージを1m動作させたときの位置推定誤差が最大で±0.05mであることを確認した.