土木学会論文集F3(土木情報学)
Online ISSN : 2185-6591
ISSN-L : 2185-6591
和文論文
UAV写真測量の上限精度の目安としての多視点三角測量の分散評価式
神野 有生油谷 大樹
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 1 号 p. 35-42

詳細
抄録

 UAV写真測量の難点として,精度の事前予測が難しいことが挙げられる.本研究ではこれを補う取り組みの事始めとして,UAV写真測量における3次元点群や検証点の座標推定精度(推定値の分散すなわちばらつきの小ささ)について,単純な状況における上限の目安を与える理論式を新たに導き,その性質を論じるとともに数値例を示した.これらの式は,画素数・焦点距離・対地高度・隣接画像重複率などの撮影の設計変数に基づき,点群・検証点の座標推定の本質である多視点三角測量に関する水平・鉛直方向の分散を評価するものである.現時点では非常に単純な状況を対象としているが,このような式は,撮影・解析計画が要求精度に照らして,少なくとも成功の見込みの全くないものではないことを,簡易的に事前判断する際の参考となることが期待される.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top