土木学会論文集F3(土木情報学)
Online ISSN : 2185-6591
ISSN-L : 2185-6591
78 巻, 1 号
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和文論文
  • 楠瀬 智也, 須崎 純一
    2022 年 78 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/20
    ジャーナル フリー

     高度経済成長期に深刻な社会問題であった都市部での地盤沈下は,1960年代以降に施行された地下水揚水規制により現在では収束に向かっている.しかしそれにより地下水位の回復が促され,新たに地盤が隆起する問題が発生しつつある.地盤隆起の速度は過去の地盤沈下の速度と比較すると小さく,軽視されやすい一方,地盤隆起災害の発生リスクが今後懸念される.本研究では,短波長で都市部の散乱解析に有効なXバンド画像を活用した時系列SAR解析により,都市部の面的な地盤変動の監視を試み,水準測量データの時空間的補完や,地下水位変動との関連について検証する.解析の結果,水準測量データに対しRMSEは1.6mm/yearであり,空間的補完が可能なことが示された.さらに,地下水位上昇量と地盤隆起量との間には,強い相関を持つことが判明した.

  • 久保田 恭行, 矢吹 信喜, 福田 知弘
    2022 年 78 巻 1 号 p. 21-34
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル フリー

     シールドトンネルの工事では,計画線形に沿う掘進が基本であるが,実績との間に偏差が生じる.この際,生じた偏差を緩やかに計画線形に戻す目標線形を描き,これに沿って掘進する必要がある.これらの作業は熟練者の経験や試行錯誤の操作によりシールドマシンを制御しており,省力化が課題である.また,熟練した技術力を有する掘進管理者とオペレータは高齢化し,そうした技術力が失われることが懸念される.このため,機械学習によりシールドマシンの操作を自動化することが求められるが,関連研究の手法では目標線形に沿って掘進する操作パラメータを自動算出できなかった.そこで,本研究では,機械学習を用いて,計画線形が直線である区間を対象に,操作パラメータの最適値を自動算出する手法である自動操縦モデルを開発することを目的とする.

  • 神野 有生, 油谷 大樹
    2022 年 78 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/20
    ジャーナル フリー

     UAV写真測量の難点として,精度の事前予測が難しいことが挙げられる.本研究ではこれを補う取り組みの事始めとして,UAV写真測量における3次元点群や検証点の座標推定精度(推定値の分散すなわちばらつきの小ささ)について,単純な状況における上限の目安を与える理論式を新たに導き,その性質を論じるとともに数値例を示した.これらの式は,画素数・焦点距離・対地高度・隣接画像重複率などの撮影の設計変数に基づき,点群・検証点の座標推定の本質である多視点三角測量に関する水平・鉛直方向の分散を評価するものである.現時点では非常に単純な状況を対象としているが,このような式は,撮影・解析計画が要求精度に照らして,少なくとも成功の見込みの全くないものではないことを,簡易的に事前判断する際の参考となることが期待される.

和文ノート
  • 竹内 悠太, 青山 俊也, 佐藤 正憲, 黒木 修隆, 一岡 義宏, 菅沼 直昭
    2022 年 78 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/20
    ジャーナル フリー

     画像認識に有効とされる機械学習手法であるConvolution Neural Network(以下,CNNとする.)を用いて,屋外に設置されたアスファルトプラント内ストックヤードを撮影した画像をもとに,骨材体積の算出を試みた.CNNの予測値に大きく寄与したピクセルを可視化する技術であるGrad-CAMにより得られた結果より,太陽光による照度の変動が数量算出精度に大きく影響する知見を得た.解決策として,画像の輝度値解析などにより画像全体のコントラスト処理を行った画像をCNNの学習用画像に取り入れた.結果として,これらの処理を行うことにより,屋外の環境光の変化に対し頑健な特徴抽出器が得られることを確認した.

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