2022 年 78 巻 2 号 p. I_113-I_121
我が国では,台風,地震,津波などの災害が多発しており,発災時にブロック塀の倒壊による危険性が指摘されている.そのため,現在,ブロック塀の現状把握と点検が急務とされている.徳島大学では,県や市区町村の協力のもと,国交省の点検指標に基づいた実地調査を進めている.しかし,ブロック塀は各所に点在しており,現地に作業員を直接派遣する現行の実地調査では,広域をカバーできない.そこで,著者らは,広域を計測した点群データからブロック塀を抽出する技術を開発し,実地調査の省力化に取り組んできた.本研究では,ブロック塀の抽出技術をさらに発展させ,ブロック塀の点群データを用いて高さと傾きにより危険度を判定する技術を提案する.