2022 年 78 巻 2 号 p. I_93-I_102
移動体計測車両(MMS)や地上設置型レーザスキャナ等の測量機器やカメラの技術革新に伴い,様々な場所の大量な点群データが計測・蓄積されている.点群データの主な用途は地図調製や地形・構造物の形状把握等である.点群データは膨大な点の集合体であるが,区画線や道路標識等の道路地物としての意味をコンピュータに認識させられると,業務の効率化・高度化や多用途化が実現し,デジタルツイン環境の基盤となることが期待できる.
本研究では,高精度な3次元地図データであるダイナミックマップから区画線や道路標識等の道路地物の位置情報を解析し,点群データの属性管理仕様【道路編】(案)に準拠した道路地物の3次元空間の領域データへの生成(変換)手法を考案した.そして,考案手法に準じたケーススタディにより,道路地物の点群データを領域データで抽出できることを明らかにした.