抄録
公共事業は,良質な生活空間や,自然災害に対して安心・安全な国土の構築に大きく寄与している.ところが近年,公共事業に対するネガティブなイメージが流布され,公共事業に対する批判的な雰囲気の中で,国民の支持が得られにくい状況に追い込まれ,事業の遅延や中止,予算削減に直面している.そこで本研究では,そうしたネガティブイメージの是正に資することを目的とし人々の抱くイメージについての追跡調査を行った.特に,2012年12月には,笹子トンネルでの崩落事故や,第46回衆院総選挙など,公共事業に直接・間接に関わる重大な出来事があった.こうした出来事の半年前の6月下旬,および直後の12月下旬において,公共事業に係る言葉に対するイメージについての追跡調査を行い,その変遷を分析した.