高度経済成長期に整備された日本の一般道路の多くは老朽化が懸念されており,特に橋梁の維持管理は喫緊の課題である.インフラ施設の維持管理分野では官民連携手法が導入されつつあるが,利用料収入を得ない一般道路の維持管理はコンセッション方式の適用外となっている.
本研究では,一般道路の橋梁を対象としたPPP事業を想定し,運営事業者の裁量で修繕や更新を行い,政府は橋梁の状態に応じて支払いを行うと仮定しモデル化し,長野県長野市が管理する橋梁のデータを用いて事例分析を行った.その結果,支払い方式の設定によって,運営事業者が自発的に予防保全的な維持管理をするように促すことが可能であることを示した.また,劣化予測を正確にできた場合のパフォーマンスと,劣化予測の不正確さに対するロバスト性のトレードオフを示した.
抄録全体を表示