抄録
高速道路上落下物は,利用者の快適な運転を妨げ,重大事故発生の要因の1つとなるため,落下物の視認性の向上が求められている.特に,トンネル内の落下物は,トンネル外の落下物と比較して視認しづらく,その視認性はトンネル照明方式により大きく左右されるため,トンネル照明方式の決定が重要な課題となっている.
本研究ではトンネル照明方式の決定手法の確立を最終的な目標と設定し,その基礎的研究として,落下物の反射率分布をモデル化する方法論を構築する.具体的には,反射率分布を,多峰性を表現できる混合ベータモデルを用いて表現し,混合ベータモデルの未知パラメータおよび混合率をEMアルゴリズムにより推計する.最後に,実測データを用いた適用事例を通して,本研究で提案した方法論の有効性を実証的に検証する.