抄録
福島第一原発事故により大量の放射性物質が放出され、福島県を中心に放射性物質による汚染が広がった。放射線被ばく線量低減のため、国直轄または市町村発注により除染事業が行われている。本報告では、福島県川俣町において平成24年度から実施されている除染事業の建設会社の担当者として、除染事業の実績や課題を報告する。まず放射線強さの分布は、宅地や建物の部位により線量に大きな差異があり、これは部材・材質による線量の違い、雨樋下など局所的に線量の高い場所があること等を例に説明する。続いて線量低減のために、様々な除染手段に取り組んだので、その結果を述べる。さらに山林除染は面積が広大にもかかわらず、充分な除染が難しい理由を指摘する。最後に除染効果の評価を述べ、除染事業を管理する上での問題点・課題について述べる。