土木学会論文集D
Online ISSN : 1880-6058
ISSN-L : 1880-6058
和文論文
出発時刻変更を考慮した交通渋滞の限界費用分析
井料 隆雅朝倉 康夫
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 62 巻 1 号 p. 96-112

詳細
抄録
 出発時刻選択問題における利用者追加時の限界費用問題の性質を明らかにする.道路渋滞においては,利用者が混雑に応じて出発時刻を変動させることがない場合,渋滞の開始時刻直後に追加車両が加わる場合に限界費用が最も大きくなることが理論的に知られている.本研究では,同様の限界費用分析を利用者の出発時刻選択行動を考慮したうえで行う.到着地での時刻制約に特別な制約をおかない出発時刻選択問題を用いて,その下での限界費用の性質を理論的に分析した.その結果,利用者の時刻選択行動の特徴を示す「チェーン」の概念を用いることによって限界費用を計算できること,また,利用者が遅刻を望むか早着を望むかで車両を加える時刻と限界費用の関係が大きく変わりうることがわかった.
著者関連情報
© 2006 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top