抄録
持続可能な交通手段への自発的な行動変容を促すコミュニケーション施策として,近年モビリティ・マネジメント(MM)が注目されている.本研究では,MMの中でも特にTFPに着目し,2005年までに国内で実施された31事例を整理し,行動変容指標を一元化した上でこれまでのTFPの実施状況と効果をまとめた.この結果,居住者を対象としたTFPの実務的効果の平均は,自動車利用が約19%削減,公共交通利用が約32%増加というものであった.さらに,効果と各手法との関係を探索的に分析することにより,現在様々な手法が組み合わされて実施されているMM施策の中でどの手法がより効果的であるかを探り,現在使用されている手法の中では,“目標設定”が自動車行動削減に効果的であることが示された.