抄録
広域圏の地域づくりでは,長期目標を支える政策の一貫性が重要であり,そのためには圏域内でのビジョンの共有と外部への可視化が不可欠である.本研究は,ビジョニングを重視した地域づくりの先駆例として欧州オーレスンの地域創生プロジェクトに着目している.欧州の成長極の一つオーレスンでは,国境と海峡を跨ぐ新たな統合地域を創生するために,国土 · 地域基盤に関する多元的な理解の下に,プレイス · マーケティング手法を活用したアイデンティティの共有と強力なイメージづくりを先行させ,ビジョン先導型の広域ガバナンスを実現している.本稿では,こうした先行事例に基づき広域ブロックの地域経営におけるプレイス · マーケティングの戦略的意義をまとめ,わが国の広域地方計画への貢献を目的としている.