土木学会論文集D
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和文論文
都市の集積 · 分散モデルの対称性破壊分岐:群論的分岐理論によるアプローチ
池田 清宏河野 達仁赤松 隆柳本 彰仁八巻 俊二
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2007 年 63 巻 4 号 p. 553-566

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抄録

 近年,規模の経済と輸送費および要素移動の相互作用による都市の集積 · 分散を内生的に解明する分析が盛んに行われている.この分析モデルの代表例であるKrugmanのCore-Peripheryモデルは複数均衡解を持ち,その都市集積 · 分散過程は輸送費変化による分岐を伴うことが知られている.しかしながら,その集積 · 分散過程は主に,都市数が2の場合しか明らかにされていない.本論文では,Core-Peripheryモデルを多都市モデル,具体的には円周上に均等に位置する都市数22, 23, 24 モデルへと拡張し,対称性を持つ系の一般論である群論的分岐理論を用いることにより,均衡解の分岐過程のメカニズムを解明する.その結果,輸送費の変化による周期倍分岐に代表される多段階の対称性破壊分岐を伴う都市の集積 · 分散の空間的分布の変化を示す.

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© 2007 社団法人 土木学会
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