抄録
MMの手法に関し様々な研究・調査が実施されているが,健康意識への働きかけだけでどれだけ行動変容効果が生じるかは十分に明らかにされていない.本研究では個人の健康意識に働きかけることで歩行を促進し,自動車利用を抑えるTFPの提案を行い,実施効果を明らかにする.具体的には,広島県福山市において78人の被験者(パネル)に対し,起床時から就寝時まで万歩計を使用し日常生活と歩行量の関係を調べた.健康歩行量TFP実施の前後で比較すると,制御群で基準化した1日の歩行量は約30%増加し,自動車利用時間は徒歩や公共交通の利用により約27%削減されるという結果を得た.これらの結果から,健康意識に働きかけるMMは健康促進だけでなく,交通環境改善のための有効な方策となることが示された.