土木学会論文集D
Online ISSN : 1880-6058
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和文論文
水辺空間を基盤とした地域コミュニティの形成に関する研究
中嶋 伸恵田中 尚人秋山 孝正
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2008 年 64 巻 2 号 p. 168-178

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抄録
 本研究では,水のまちとして地域固有の景観を有してきた郡上八幡を対象に,地域コミュニティの維持要因及びローカルルールの役割について明らかにした.文献資料及び現地踏査により,水辺空間の成立過程と特徴を整理し,地域コミュニティに支持されてきた水辺の共同空間を抽出した.さらに,水辺利用及びローカルルールの実態に関するヒアリング調査に基づき,地域コミュニティの変化について事例分析を行った.研究の結果,地域コミュニティの維持要因として,水辺空間に対する「行動の規範」と地域コミュニティに対する「組織の枠組み」という2種類のローカルルールによって,地域コミュニティが環境の変化に応じるプロセスが必要であった.また,地域コミュニティの一員である個人により「行動の規範」が実践される必要があることが分かった.
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© 2008 社団法人 土木学会
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