2008 年 64 巻 3 号 p. 447-456
近年,環境負荷を低減する都市構造としてコンパクトシティが注目され,実際に様々な行政主体がその推進を表明しているが,実際の政策スケールに対応した研究は十分になされていない.また,都市計画の専門家が都市コンパクト化施策を検討するためには,専門知識の乏しい人も含めて利害関係者全員が具体的イメージを共有しながら今後の都市整備について検討できる一方で,実データに基づく多様な指標から高度な分析が可能なツールが必要である.そこで本論文では,実際の政策スケールに対応した30ha程度の住宅地単位において構築したデータベースと,その応用方策について報告を行う.膨大な実データを基に住宅地タイプを設定し,その住宅地で撮影した画像を含む住区アーカイブを構築することで,都市コンパクト化推進のための判断材料を提示することができた.