抄録
2008年8月に185.1(円/L)のピーク値を記録したおよそ2年におよぶガソリン小売価格の高騰は,自動車利用の抑制行動に少なからぬ影響を及ぼしたと考えられ,今後の交通計画のためにその実際を明らかにしておく必要がある.本論文では価格高騰期間をカバーした2時点のパネル調査を実施し,ドライバーの運転抑制行動実態と高騰に伴う価格弾力性の推移を,各自の運転動機を考慮した上で明らかにした.あわせて,価格高騰による運転削減量に対する自己予測の信頼性を吟味した.分析の結果,1) 運転動機や価格上昇率に応じてエコドライブを含めた抑制行動は多様で,2) 従来研究と比較して非常に大きな価格弾力性値が得られた半面,3) 実際の運転削減量は自己予測を下回る傾向にあることが明らかとなった.