2009 年 65 巻 4 号 p. 465-479
近年,プローブカーシステムによる交通情報収集が各地で進められている.プローブカーデータから生成される交通情報には,車両間での走行特性の違いやGPSエラー等によりばらつきが含まれる.このため,信頼性の高い情報を生成するためには多くのサンプル数が必要となる.このため,各リンクで必要なプローブサンプル数を効率よく収集するためには,プローブカーを適切に配備しなければならない.本研究は,名古屋市周辺で収集されたタクシープローブカーデータを用い,各道路リンクでの通過頻度や必要サンプル数をモデル化し,情報収集確率を最大とするプローブカーの最適割当て計画を行う.分析の結果,信頼性の高い情報を効率的に得るためには,より多くのプローブカーの確保や都心部を囲む広いエリアへの割当てが必要であることを示した.