土木学会論文集E
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和文論文
化学平衡論を導入したコンクリートの炭酸化モデルに基づく空隙率評価に関する研究
佐々木 崇島袋 出大下 英吉
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2006 年 62 巻 3 号 p. 555-568

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抄録
 本研究では,コンクリートのアルカリ含有量に依存した炭酸化反応機構,空隙率変遷機構を統一的に評価可能なモデルの構築を行った.その手法は,分析化学を用いて細孔溶液中のアルカリ成分を含む全化学種に対して電荷均衡の法則を基にpHおよび各化学種の平衡濃度を同定し,それをCa(OH)2および反応形態に応じたC-S-Hの体積変化に導入するというものである.結果,コンクリートのpHは水酸化カルシウム消失後に著しく変化するとともに,実験結果との対比から炭酸化によるコンクリートの空隙率の変化はCaO/SiO2比が高い場合には緻密化,低い場合には多孔化を導くというようにCaO/SiO2比によって変化することが統一的に評価された.また,CaO/SiO2比をパラメータとした空隙率変化の一般式も提案した.
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© 2006 社団法人 土木学会
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