2006 年 62 巻 4 号 p. 798-814
せん断スパン比(以下,a/d)が小さく,せん断補強筋を有するディープビーム部材を対象に,a/d,せん断補強筋比,有効高さをパラメータとして,単純梁を用いた鉛直載荷実験を行い,せん断抵抗に関する検討を行った.その結果,a/d≦1.0とa/d=1.5では終局時の破壊の形態が異なることが,デジタルカメラやひずみの計測を詳細に行うことにより明らかとなり,a/d≦1.0のせん断破壊では,圧縮力が主体となるためせん断補強筋はほとんど効果を発揮しないが,a/d=1.5ではひび割れ幅の抑制効果があることからせん断補強筋が十分に効果を発揮することが分かった.また,本研究におけるせん断耐力評価式は実験値を概ね評価できることが分かった.