抄録
 鉄道のバラスト軌道では,軌道沈下の抑制,列車荷重の路床への分散および雨水の路床への浸透の防止を目的として,アスファルト路盤が広く適用されている.従来のアスファルト路盤の設計は路床の剛性に応じてその厚さを定める仕様規定であったが,鉄道構造物の設計における性能規定化の一環として,アスファルト路盤についても列車本数の影響を考慮した性能照査型の設計方法を導入することが求められていた.そこで,本研究ではFEM解析によってアスファルト混合物層のひずみを推定し,疲労破壊規準式を適用することで路盤の厚さを求められる設計方法を提案した.この設計方法は鉄道土構造物の新しい設計標準に反映され,性能規定化に対応したアスファルト路盤の設計が可能となった.