2008 年 64 巻 4 号 p. 533-540
本研究の目的は,FWD試験の時系列データを用いて構造評価するための新しい動的逆解析法(W-BALM)を開発することである.本方法の大きな特徴は,フォークトモデルで構成される粘弾性多層体に作用する衝撃荷重の波動伝播の理論解を順解析に組み込んでいることである.逆解析では,各層のフォークトモデルのパラメータの値を推定している.逆解析には打切り特異値分解を組み込んだGauss Newton法を用い,時間領域で解析たわみと測定たわみが一致するようにパラメータを決定している.実測データを用いて本理論で逆解析を行い動的逆解析ソフトウェアD-BALMで得られた結果と比較した.両者の結果は類似しているが,W-BALMの結果の方が初期値によるばらつきが若干少ない.