抄録
外部電源方式による電気防食工法を適用後の鋼材や陽極材の電気化学的特性,陽極材や周辺コンクリートの材料特性,鋼材の機械的特性およびはりの力学的特性の変化について検討することを目的として,室内試験および約10年間にわたるプレテンション方式PC桁の暴露試験を行った.鋼材の電気化学的特性は,腐食した鋼材ほど鋼材界面の環境の改善により変化が大きい傾向にあること,陽極材に過大電流が印加された場合には,陽極材の電位は貴方向に変化し,周辺のコンクリートの材料特性が変化する傾向が認められた.また,暴露期間中の電気化学的測定により防食効果が認められたPC桁は,通電に伴うPC鋼材の機械的特性およびPC桁の力学的特性に変化は認められなかった.