秦野市では,平成16年度より秦野市TDM計画に沿って市内の小学校を対象に交通行動と渋滞や環境問題の関係を学習するTDM教育の取り組みが実施されてきた.平成19年3月までに地域特性の異なる5つの小学校に計6回の授業が行われ,全ての参加児童の交通と環境に対する態度を質問紙により計測している.本研究では,秦野市TDM教育の対象となった小学校の地域特性,公共交通のサービスレベルと,TDM教育の授業プログラム内容の違いが,計測された児童の態度にどのような影響を及ぼしているかを分析した.その結果,公共交通のサービスレベルが低い地域であっても,児童に一定の態度変容が示唆された他,車と環境の葛藤を授業で体験することが,児童の態度変容にポジティブな影響を与えていることが示唆された.