2019 年 75 巻 1 号 p. 71-78
近年,建設業界では人材確保と育成が急務と言われており,i-Constructionの推進による建設業における生産性向上と魅力ある建設現場を目指す等,様々な取り組みが進められている.本校は土木科を単科で,1クラス40名,3学年を有する工業高等学校であり,土木関係企業からの求人数が土木科就職希望生徒数を大きく上回っている.しかし,今後高校入学する生徒数の減少が予測されており,本校土木科でも将来の若年技術者となるべく生徒の確保が課題となっている.生徒の確保には社会における土木の重要性を伝えることが肝要であるが,本校土木科では,生徒にまず「土木はおもしろい」と興味を持たせることが出発点であり,そのためにはSTEM教育モデルが有効であると考える.本報告ではこの視点からの本校土木科の取り組みを述べる.