抄録
寿命が長い土木構造物を適切に維持管理するためには,拠点ごとに分散して保管された情報を有効活用していかなければならない.しかし,データベースの統合には多大な時間と労力が必要なだけでなく,ユーザの利便性も低下させる可能性があるため,新たな手法が求められている.そこで本研究では,まず,長期保存された建設情報が言葉の意味や仕様の変化など,外的環境の変化によって利用できなくなる可能性を指摘した.次に統合化の問題点を解決するために,マルチエージェント技術による建設情報統合エージェントシステムを提案した.最後に,運用中の業務システムを利用し,WANを介した分散環境で建設情報統合エージェントシステムの実装実験により有効性を確認した.